肥満とともに生きる ~ ずっと前からソーシャルディスタンスを実践していた私
(本記事は、ノボ ノルディスク グローバルが作成した記事の翻訳版です。本記事における肥満は、海外の肥満の考えを述べています。)
私は35年間、肥満とともに生きています。かれこれ10代の頃からずっとです。しかしなんと、その経験によって、私は今、ソーシャルディスタンスや自主隔離について語ることができる唯一の立場にあるのです。それについて本記事でお話します。
“Social distancing had almost become my second nature”
-Bjarne Lynderup
人と交流するイベントを避けることが、私の肥満に対する向き合い方でした。周囲の人からどう思われているのかが怖かったのです。減量に関する一般的なアドバイス
(食事の量を減らし、運動の量を増やす) は十分に理解していましたが、それでも体重をコントロール することはどうしてもできませんでした。そしてアドバイス通りにできない自分は劣っていると思いました。
この惨めな自己イメージは、新聞や雑誌、ラジオやテレビから絶えず聞こえてくる声によって揺るぎないものなりました。それに対する私の反応は、家に閉じこもるか、ドアの前で踵を返すかでした。パーティーやイベントの予定があってもしばしば直前で引き返しました。当時はまさかそれが後に新型コロナウイルス感染症によるロックダウンのためのトレーニングになっていたなんて知る由もありませんでした。
恥ずかしさから逃げるための自主隔離
体重が最も重かった175 kgだった時には、すでに私にはソーシャルディスタンスが自然に身に付いていました。ただ、その「ソーシャルディスタンス」という言葉が、私が取っていた行動を示すものだとは知りませんでしたけれども。
他に誰も買物に出かけない時間に、私は買物に出かけていました。
パーティーや引越祝いなどの社会交流イベントは避けていました。
大勢の人で混み合う場所は避けていました。
パンデミックや何らかの病気を避けていたわけではありません。私は周囲の人にじろじろ見られること、誰かに太っていることで陰口を叩かれること、椅子が小さいあるいは強度が十分でない等の理由で私が座ることができないという状況を避けていたのです。
後ろめたさ、恥ずかしさ、それこそが私が避けていたものでした。そして、そのために取った方法が自主隔離だったのです。もしあなたも私のように自主隔離しているなら、あなたはひとりではないことを思い出してください。
友人が手助けしてくれた体重管理
幸運だったのは、私が何もかもを諦めそうになった時、強制的に助けを求めるよう指南してくれた友人が周囲にいたことでした。もちろん、誰もが友人からの手助けをあてにできるわけではありません。しかし少なくとも、他人から身を遠ざけることは何の助けにもならないことは誰しも理解できます。
新型コロナウイルス感染症により、「ソーシャルディスタンス」という言葉は誰もが知る言葉となりました。もしあなたが自主隔離のサイクルを断ち切り、体重管理 とソーシャルディスタンスの主導権を握りたいと思っているなら、今こそ家族や友人にソーシャルディスタンスとともに生きてきたあなたのこれまでの人生について話してみてはいかがでしょうか。
プラスの方向へ小さな一歩
周囲の人から指をさされてしまうのではないかという不安に怯える状況を避けるために、自分がどのような行動を取ってきたかを話しましょう。そのことが自分にとってどのような意味があったのかを話しましょう。あなたが注意深く隠し続けてきた恐怖や悲しみについて話しましょう。
あなたの友達や家族は、きっとあなたの声に耳を傾け、理解し、あなたをサポートしてくれるでしょう。そしてより重要なことは、あなたを助けてくれるということです。
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「ついに外に出ることができれば、自分の健康状態のために傍観するだけの人生を送るのをやめれば、最高の開放感を味わうことができます。」
-ビャーネ ルネロブ
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自由の感覚を侮らないで
ついに外に出て、他の人たちと交流し共に時間を過ごし、ありのままの自分を見せることができれば、そして自分の健康状態のために傍観するだけの人生を送るのをやめれば、最高の開放感を味わうことができます。
何よりもまず、あなたは一人ではないのです。全く孤独ではありません。世界には、およそ6億5,000万人の人が肥満とともに生きています。そして、それら全ての人が今、その現実を変えるチャンスがあるのなら、すぐにでも飛びつくに違いありません。
体重を管理する
体重管理の主導権を握るには、友人や家族の協力が必要です。「自粛が求められる状況」が当たり前である今のうちに、行動を起こすのです。まずは、これまでどのようにして自分が周囲から離れてきたかについて話してみましょう。
自分のプライドにこだわり、あなたが友人や家族を必要としていること、特に体重管理 に対する助けを必要としていることを告げるのをためらってはなりません。あなたの健康状態に対して助けが必要だということを伝えましょう。ZoomやLINE、FaceTimeなどのビデオ通話を活用しましょう。
そして、今すぐ自分の生活を少しずつ変える努力をしましょう。
小さな変化が大きな変化に
たとえ小さな変化 でも達成することができれば、これから先に何が待っているかを示す力強い道しるべになります。それはあなたらなできる、そしてこれは始まりに過ぎないのだ、ということです。
もしあなたが朝食をとる習慣がないのであれば、朝食をとるようにしましょう。散歩に行く習慣がなければ、散歩に出かけてみましょう。階段を使うことに慣れていないのなら、階段を見つけて使うようにしましょう。
この段階では、どれだけ歩いたか、どこまで歩いたかは重要ではありません。
体重管理に関するアドバイスについての考え方
このような最初の一歩を踏み出すことで、あなたは人生に関する大きな決断を下したことになります。この最初の一歩こそが、より健康な生活を送るための基盤となるのです。
聞いてください。体重管理 には、「食事の量を減らし、運動の量を増やす」以上のことがまだまだあるということを私は知っています。肥満には、余分な脂肪というだけに留まらない数多くの要素があるのです。心の健康を高め、それを維持するために何よりも重要となるのが、受容と理解 です。
ただし、あなたが人生を変えたいと思うのであれば、やはり運動する必要がありますし、健康的な食事をとる必要があります。
パーソナルトレーナーも利用可能
体重管理のサポートを求めるという選択肢も捨てないでください。私の場合、幸運にも、私にジムに行けるだけの自信を付けさせてくれただけでなく、減量とは決してその場しのぎの解決法ではなく、人生を変えることだというとても大事なことを教えてくれたパーソナルトレーナーに出会うことができました。
私はパーソナルトレーナーとの最初のトレーニングで、おそらく自分はたくさんのエクササイズを始めるべきなのだろうと考えていたのを覚えています。しかし、彼の最初の言葉は意外なものでした。「気楽に、のんびりといきましょう。必要なのは、あなたの体を再構築することです」と言われたのです。
自分自身にあったエクササイズが必要
そのために、あなたにとって効果的であなたのレベルにあったエクササイズを考案する手助けをしてくれる専門家を探しましょう。あなたは今、新しい人生に足を踏み入れたのであり、今日のあなたは昨日よりも健康になるのだということを忘れないでください。
このような意識改革と同時に、私は食事を見直す ためのサポートも受けました。そして自分の中に活力と意欲を感じるためには、より良い食べ物を幅広く食べる必要があることを理解しました。
私は朝食をとるようになりました。それまで朝食をとっていなかった私にとって、それはまさしく状況を一変させる出来事でした。にわかにすっきりとした気分で一日を過ごせるようになったのです。
雑音を遠ざけるサポートが必要な場合も
健康な食生活を送るにはどうしたら良いかわからない場合には、サポートを求めることを強くお勧めします。とりわけ消費社会で生活しているだけで大量の情報が押し寄せてくることを考えれば、サポートを求めることは全く問題ではありません。
あなたは私の言うことが正しいと理解しているでしょう。しかしこの記事を読みながら、おそらく自分には役に立たないと思っているのではないでしょうか。
やけ食いは駄目
そんなことは私もあなたも分かっていますよね。そう、私も分かってはいるのです。
たとえば私の悪い癖、「気晴らしに食べ物を口にすること」について私は十分に理解しています。仕事でストレスの多い日を過ごした時はどうしますか?私の場合はアクション映画を観ながら、ポテトチップスを2袋一気に食べます。
ミーティングが上手くいかなかった時はどうしますか?ファストフード店に立ち寄ってから帰ります 。等々…。私は問題を抱えた時の解決策として食べ物に走る人がたくさんいることを知っています。
私自身その問題に取り組む必要がありました。そして50 kgの減量に成功した今でも、まだその必要があります。
私にとって食べ物とは心地よさとくつろぎをもたらしてくれるものだと認める必要がありました。
そして、自分自身に心地よさをもたらす方法として食べることが理想的なことではないということを認める必要がありました。
難しい問題は専門家に聞く
もし可能であれば、なぜあなたが現在の食習慣を身に付けるようになったのか、そしてどうしたらそれらの習慣を変えられるのかについて、専門家と話をしてみましょう。今あなたにできることは、日々の生活に備えることです。
具体的に説明しましょう。特にどのような場合に、自分が気晴らしに食べ物を口にしてしまいがちなのかを把握しましょう。そのきっかけになりやすいのは、どのような状況でしょうか?次に、そのような状況を避ける方法を見つけましょう。
そして、食べ物を口にすることですぐに気持ちが楽になると思った時に、より健康的な食べ物 を手にすることができるよう工夫しましょう。必要な時につまむことができる健康的なおやつを用意しましょう。糖分の入ったソフトドリンクの代わりに、水を冷蔵庫に入れておきましょう。
あなたも体重管理ができます
以前よりも健康的な食事をとり、以前よりも運動の量を増やし、常に自分自身と向きあって取り組むことです。
私がしたのと同じように、あなたも始めることができるのです。今日から始めてはどうでしょうか?
私たち、6億5,000万人は、肥満とともに生きています。しかし、私たちは無力ではありません。私たちには、人生を変えるための手段があります。ただそのためには、その手段を自ら求めなければならないのです。
(本記事は、ノボ ノルディスク グローバルが作成した記事の翻訳版です。日本と海外の肥満の考え方の違いについては、「『肥満』と『肥満症』の違いとは? 」をご覧ください。)
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